陶工房 篠原 >焼いて暮らす日々

お知らせ
-------2017年 今後の展示予定-------
・2017 年7月6日(木)~7月12日(水) 東武池袋店 篠原希陶展
・2017 年10月11日(水)~17日(火) 大丸心斎橋店美術画廊 篠原希陶展予定


-------終了した展示-------
・2017 年4月22日(土)~5月2日(火) 三島市ギャラリー阿吽 篠原希陶展
・2017 年4月19日(水)~4月26日(水) 倉敷 工房IKUKO 篠原希陶展
・2017 年 4月8日(土)~16日(日) 織部下北沢店 篠原希陶展
・2017 年 1月2日(月)~29日(日) 水戸市うつわや季器楽座創業 20 周年記念企画 第 2 回酒井敦志之×篠原希二人展
茨城の旅 / 送れなかった陶板を届ける
2011 / 04 / 27 ( Wed )
震災の当日茨城のお店に3月11日に発送するつもりだった、焼締の陶板。


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毎日、ニュースを見つづけ、玄関を見る度にいったい茨城のみなさんはどうしているのだろうと
思い続ける日日でした。



幸い知人すべてに連絡がついて居り、みな無事なことは分かっていましたが、
それぞれに規模の差はあっても被害を受けているとのことでした。



私が陶板を発送するはずだったお店も、みなさんご無事であったことは幸いでしたが
お店にあった陶器は大半割れてなくなってしまったと聞いて本当にこころが痛みました。

私もたくさん思い出をいただいている場所なので
たくさんの思い出の詰まったあの場所がたいへんな被害を受けたことを想像するだけでもつらくなり、
とてもかける言葉が思いつきません。

とうとう陶板は送れず震災の日以来玄関にそのまま置かれてひと月以上がたちました。






思い悩んだ末に

送る気持ちになれないものは直接持って行くことにしよう!と決めました。
荷物を持って茨城に行くことにしました。



それを妻(よ)さんに話すと即答で「一緒に行く!」ということになりました。


妻の故郷日立では桜が満開。
たくさんの彼女を育ててくれた大切な人々との再会をすることが出来ました。




DSCF8141.jpg
日立駅前の桜並木


そして彼女が成人してからも里帰りして、いつも勇気をもらって帰ったという海岸へ。
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日立の海。(よ)さんはいつも「日立の朝日は日本一!」と自慢しています。
関西ではほとんど茨城の被災のニュースを聞くことが出来ませんでしたが
想像以上に津波が襲っていたようです。


妻は海に着くなりすぐに「海の香りが全くしない」と
寂しそうにつぶやいていました。





その後私の陶板を届けにお店へ。

気を遣わせてしまうかなと言う思いもあったので、伺って陶板を届けたら大好きなお店のコーヒーをいただいて
すぐにおいとまするつもりでした。

しかし、ネットで陶芸家の友人に茨城に来ていることがばれており(笑)お店への到着を知っておられたので

「良く来たね~!」

と出迎えてもらったときは
逆にこちらが驚く結果になってしまいました。




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注文の陶板を一ヶ月以上遅れて届けました。

そして念願のコーヒーをいただきました。
子連れで慌ただしかったですが、再会を果たしじーんと身体がしびれたまま飲んだ
あの味は当分忘れることはないとおもいます。



ほんとうにおいしかった。





その後、笠間の陶芸家の友人たちとも会うことが出来ました。
迷惑になるのでは?と気をもんでいた私を笑い飛ばすように
みんな大変喜んでくれました。




笠間の薪窯はほとんどが倒壊、または大幅な補修が必要なほど壊れたそうです。
ガスや灯油の窯でも被害がたくさんあったそうです。
DSCF8343.jpg
倒壊した登窯。

DSCF8349.jpg
煙突部分も根元から折れていました。
倒れていないのが不思議なほどです。



当然、割れ物がたくさんある仕事ですので、できあがった作品はもちろん、
製作中の作品もたくさん割れてしまったそうです。
同じ仕事をするものとしてそれがどれだけつらいことかは、痛いほど感じます。


しかしみんな次の仕事をするため、今もつづく大きな余震の中、本当に笑顔で、元気でした。

彼らの話を聞きながら、完全に気後れしてしょぼくれている自分が恥ずかしくなりました。








茨城のみんなを心配し続けたこの一ヶ月。
しかし茨城で出会ったみんなは復興にむけて前を向き、進み始めていました。



被災しなかった自分はとっくに置いて行かれているように感じました。

まったく逆ですね。しっかりしないと。




妻と話しながらの帰り道。

いくら電話やネットで話しても、

「会って10秒笑顔を見ること」

に勝る物はないねと話しました。






今回の旅でお会いできたみなさんの笑顔に、逆に強く励まされました。
ありがとうございました!
本当に無力な私ですが、引き続き北関東東北の復興を応援し、祈りつづけていきます。

そして私も負けないように生きて行こうと思います。




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18:07:10 | 笠間×信楽 酒井敦志之×篠原希二人展が出来るまで | コメント(2) | page top↑
カタマリ作り-1
2011 / 07 / 11 ( Mon )
その話が出たのはもう二年前になるでしょうか…。

水戸のギャラリーで、「笠間で焼締を焼く若手作家と信楽篠原二人展をやりましょう!」

と盛り上がりました。


BLOG9525.jpg
信楽の土のカタマリ


笠間の若手作家さんは私よりも年下ですが、「土を焼く」という感覚がすばらしく
私が学びたいところをたくさん持っている人物です。


私はその彼とギャラリーの生み出す空間を想像するとワクワクして一も二もなく参加させていただくことに。




しかし、いよいよ二人展まで1年を切った三月。

あの未曾有の大震災がおきました。





ようやく数日経って作家さん、そしてギャラリーのみなさんの無事が確認されはしたものの
作家さんの穴窯はなんと焼成中に壊れ、またギャラリーでは大半のうつわが揺れで落ち、
破壊されたとききました。



そのときには二人展のことなんてすっかり忘れてしまっていて、
思い出すのにかなりの時間を要しましたが、思い出してからも考えないようにしていたように今は思います。


「二人展はなかったこと。生死優先。そんなことは今は関係ないこと。」と。





しかし、震災もひと月が立った頃。

震災からのショックで全く自分の心は仕事に向かうことができず
自分の気持ちにどうしてもめどを付けなければいけないと私が水戸に直接話をしに行くことを決めたとき、




そのことを知った笠間の若手作家より

「壊れた窯の修理は二人展には間に合わせます!」

とのメッセージが。



ガーン!と頭をぶん殴られたようなショックを受けました。



自分の中では忘れようと勝手にしていた二人展。
触れない様にしていた話題を先に深く突き刺すように突っ込まれたような。

なんにも被災していない自分のほうが逃げようとしていたことを気づかされました。



水戸、そして笠間へ。
窯が破壊され被災した彼はとっくに気持ちを切り替え、前を向いていました。

水戸のギャラリーさんも同じでした。
いただいたコーヒーを持つ手が震えるほど気持ちが熱くなりました。



ふたりの負けないこころと真っすぐな目線にすっかりと圧倒され、信楽まで帰って来ました。










二人展はふたたび、震災のできごとを含んであらたな息吹が込められ再始動することになりました。







たくさん上がった企画の一つに
当初よりギャラリーさんのテーマとして与えられていたものがありました。


それぞれの産地の土のそのままの姿を

「カタマリ」

として焼き、展示すること。


上の写真はそのカタマリをつくり、乾燥させているところです。





さまざまな表情がある信楽の土。

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信楽の山土。





今日は震災の日より4ヶ月が経つ節目の日。
いまだ、笠間の若手作家さんの窯は修復されていません。





二人展が実現されることを祈りながら、またこの年に催すことに意味のあるものになるよう、

ひとつひとつにこころを込めて
カタマリを作って行きたいと思います。

BLOG9524.jpg








※二人展まではツイッターshinoharanozomuを使って企画を話し合い公開していくことになっています!
ご覧くださいますと幸いです!










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22:36:44 | 笠間×信楽 酒井敦志之×篠原希二人展が出来るまで | コメント(0) | page top↑
カタマリ作り-2 / 焼き上がり
2011 / 07 / 15 ( Fri )
先日作った信楽の山土を固めただけの

「カタマリ」


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乾燥中の山土のカタマリ。

今回の東武個展のために焚いた穴窯に詰めて焼きました。






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穴窯焼成の様子。




そして窯出し。

かなり高温になる窯の位置に窯詰めしたのですが、焼き上がりはこのようになりました。


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焼きあがったカタマリ。






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底部分。

窯にくっついてしまわない様に「目土(めつち)」という土を付けて焼くのですが
その部分は抜けた様に模様になります。







信楽や伊賀の土には長石(ちょうせき)とう大きな石の粒が含まれています。

BLOG9663.jpg
突き出した長石の粒




そして、燃料の薪の灰が降り掛かり高温で熔けて「ビードロ」と呼ばれる流れになります。



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ビードロの流れ





二人展の実現に向けて、これからもどんどん焼いていく予定です。


最終的に会場に

「カタマリ」

がたくさん並ぶ光景が実現するよう、ひとつひとつがんばります!








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12:52:19 | 笠間×信楽 酒井敦志之×篠原希二人展が出来るまで | コメント(0) | page top↑
出会い / 笠間×信楽 酒井敦志之×篠原希二人展が出来るまで-1
2011 / 11 / 12 ( Sat )
2012年の新春には水戸 うつわや季器楽座で、二人展をすることが決定しています。

この話が決まったのは二年前。

展覧会も近づいていろんなことが同時進行しています。
これまでの経緯を書いていこうと思います。








「笠間にも酒井君という若い子がいま穴窯を自作してるんだよ」

と切り出されたのはもう三年以上前になります。

水戸のお店 うつわや季器楽座(ききらくざ)のオーナーの話を聞いていると
酒井敦志之(さかいとしゆき)君はとても気のいい青年らしく、
オーナーにとっては弟分のような存在なんだなと感じながら話を聞いたのが最初でした。 


後日…

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本人からはがきが届きました。


酒井君もオーナーに私の話を聞いたようで、初窯展のはがきを送ってくれました。

住所があやふやだったので「陶芸家」と書いたそうです(笑)


写真面には

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築窯(ちくよう)中の窯の写真が。


私も窯は自作したので、この写真を見たときに、まるでプロの築炉師(ちくろし:窯をつくる職人)が作ったようなレンガの配置ときちんとしたカットに驚きました。

その写真を見ながら、とてもきちっとした性格なんだろうなと同時に思いました。

彼のいろんな想いがDMからは伝わってくるようで、今まで大事に持っていました。




残念ながらこの個展には伺えなかったのですが
後日、彼の個展をみに笠間に行き初対面しました。



とてもさわやかでおだやかなのですが芯のしっかりした力強い印象でした。

初窯は大成功だったそうです。
(私の初窯は大失敗でした(笑))



その後、私が季器楽座で個展を初めてしたときに、酒井君も店にやってきてくれ
オーナーを含めて、悪巧みのような(笑)企画展の話が持ち上がりました。



「笠間と信楽の作家の薪窯対決をしよう!」







日程はその時から二年後のお正月一発目の展示企画にしよう!






私もたのしみにその日に意識を持ち続け、どんな展示になるか楽しみにしていたのですが、

今年の3月11日。
未曾有の大災害となる東日本大震災がおこりました。

彼は窯焚き中に被災することとなり、あわや火事寸前の危険な状態だったそうですが、
なんとか窯の火を落とすことができたそうです。

しかし丹誠込めて作ったあのDMに写っていた窯は、地震の大きな揺れに割れ、ゆがみ、破壊され
致命的なダメージを受けて、使用不能になってしまいました。



水戸のうつわや季器楽座も展示していたうつわの大半が、オーナーのことばでは
最後の大きな揺れで吹っ飛び、割れてしまったそうです。
店は復旧のためクローズになりました。


二年楽しみにまちつづけ、いろいろとやってみようと話してきた
二人展の実現は白紙になりました。


 次回に続きます。



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09:16:37 | 笠間×信楽 酒井敦志之×篠原希二人展が出来るまで | コメント(0) | page top↑
衝撃 転機 / 笠間×信楽 酒井敦志之×篠原希二人展が出来るまで-2
2011 / 11 / 15 ( Tue )
前回からの続きです。

3月11日。
未曾有の大震災、津波、原発事故。


地震当日から何日もたってからようやく電話が通じ、季器楽座さんと連絡が取れ無事を確認、
酒井君もネットを使い友人を通じてようやく無事を確認しましたが、どちらも
お店では大切なうつわが吹っ飛び砕けて、酒井君は窯がねじれ破壊さてしまい、
ふたりともたいへんな被害を受けてしまったとのことでした。


すこしづつネットを介して笠間や益子のようすもわかるようになってくると、
両産地ともたいへんな被害を受けていることがわかってきました。





そのときには私も二人展のことなんてすっかり忘れてしまっていて、
思い出すのにかなりの時間を要しましたが、思い出してからも考えないようにしていたように今は思います。


そして
「二人展はなかったこと。生死優先。そんなことは今は関係ないこと。」とおもっていました。






震災もひと月が立った頃。

ようやく二人に再会するときがきました。
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季器楽座は震災直後よりすぐさま復旧作業をされ、時間短縮をしながら停電や断水、
そして大きな余震に遭いながらも
営業を再開されていました。


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二人展の話をしたのかどうか今は覚えていません。
とにかくオーナー夫妻の笑顔をみられたことで体がずっとしびれていたのは覚えています。


途中立ち寄った笠間工芸の丘の登り窯はアーチが完全に崩れ、
無惨な姿を晒していました。


DSCF8341.jpg
崩れた登り窯





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煙突は根元から割れて今にも崩れそうです。








そして、酒井工房へ。
オーナーに彼の工房の被害を聞いただけでも会うことがためらわれ、
なんといって声をかければ良いかわかりませんでした。





しかし、そんな私の突然の訪問にも酒井君は家族、そして友人とともに温かく迎えてくれ
気後れする私と反対に被災した酒井君と友人はは前しかむいておらず、本当に力強く前進しようとしていました。


彼の工房にある薪窯を見せてもらいました。

彼は窯を焚いている最中に地震にあったそうで、あやうく窯が崩れて火事になる寸前だったそうです。

窯の形は保っているように見えても、ところどころ大きく裂け、煙突はどのようにゆれたらこうなるのか、
捻れていまにも崩れそうになっています。


初窯のあのDMの写真と目の前の窯の悲しい姿がダブって
正直、とても窯を直視できずにいる自分がいました。





そんな私に帰り際、酒井君は

「大丈夫です!壊れた窯の修理は二人展には間に合わせます!」

力強く笑顔で言いました。


ショックでした。












自分の中では忘れようと勝手にしていた二人展。
触れない様にしていた話題を先に深く突き刺すように突っ込まれたような。

なんにも被災していない自分のほうが逃げようとしていたことを気づかされました。




酒井君に背中を叩かれたように、ようやく私の気持ちも
あの二人展の実現にこころを向かい始めることができました。




続きます





↓参加しています。 酒井君と初めて会ったときに話したことで印象的だったのは、薪窯だからといって特別視していないところでした。 大事な感覚を持ってはるなとおもいました。   クリックありがとうございます↓
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20:35:31 | 笠間×信楽 酒井敦志之×篠原希二人展が出来るまで | コメント(0) | page top↑
企画展の内容 / 笠間×信楽 酒井敦志之×篠原希二人展が出来るまで-3
2011 / 11 / 25 ( Fri )
二人展はふたたび、震災のできごとを含んであらたな息吹が込められ再始動することになりました。



最初のミーティングは二年前の水戸でした。

・笠間信楽の若手陶芸家薪窯対決にしよう!

・そのために会場は最大限まで使う

・お互い製作に使っている土を交換して自分の窯で焼く
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信楽の原土
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笠間の原土

・それぞれの使用してる土を原土のまま展示する土塊(カタマリ)をつくる

カタマリとはたくさん上がった企画の一つで
当初よりギャラリーさんのテーマとして与えられていたもので
それぞれの産地の土のそのままの姿を

「カタマリ」

として焼き、展示するこというものです。

BLOG9525-1.jpg





しかしその後3月11日に起こった
大震災により酒井君は窯の、季器楽座さんは店への大きな被害をうけ一旦は中止になったとおもわれました。


そんな中、酒井君の「大丈夫です!できます!」の一言により
企画は再開することに。






七月。
東京での二度目のしかし仕切り直しのミーティングとなったその時に
展示の詳細と案が追加されました。

・出品アイテム決定。以下をそれぞれ作って焼くこと

1.大壺 2.茶碗 3.水指 4.ぐい呑 5.徳利(酒器)

6.陶匣(とうばこ)7.板皿 8.飯碗 9.ゆのみ 10.花入(30cm以内)

11.片口とぐい呑のセット 12.カタマリ


・上記のふたりの作品を横並びに置き、来場してくださったお客さまに
どちらか好きかを決めて投票してもらう

・なにより酒井君の薪窯を年末までに復活、焼成をすること

しかしこのミーティングの7月時点で酒井くんの窯は地震で破壊されたままでした。

年末までの窯を解体、再構築して、作品作り、そして窯焚き。

その間ももちろんほかの仕事をこなしながら作業をすることを考えると大変な困難が予想されました。




もちろん、上記のアイテムを焼き上げ出品することは一応決定しましたが、揃えられる保証は有りません。

酒井君は窯が破壊されてしまった過酷な状況からの製作であり、
会期までの短い日程で、もし窯が復活したとしても
出品作を初窯での作品焼成で成功させねばならない難しいハードルを何度も越えねばなりません。

初窯焚きの成否にかかる部分は、初窯を失敗している私には尚のこと、
どれだけ難しく緊張するものかと想像されます。


すべてのアイテムが揃えることは大変むずかしいことでしょう。

私は窯焚きの無事を祈るのみです。

(私のほうが窯焚きを失敗する可能性ももちろんありますので…(笑)実はそちらの方が心配










東京でのミーティングを経て

いよいよ酒井君はまず破壊された窯を解体。
ネットでボランティアを呼びかけ、たくさんの有志と数千丁もあるレンガの目地土を
掃除することから窯の復活の第一歩を歩み始めます。


そして私は蛇足なことだと思いながらも、小さな薪窯をつくり、私もその初窯作品を会場に持っていくときめました。

これは全く勝手な私の都合です。
普段の仕事をこなしながら、窯の復活にかかる彼の気持ちをすこしでも感じられたらと思いました。







つづきます。











↓参加しています。 私も酒井君の窯のレンガ掃除をしたいと考えましたが、たくさんの有志が彼の手伝いをしてくれたようです。すばらしい人徳、そして仲間たち。  クリックありがとうございます↓
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18:58:25 | 笠間×信楽 酒井敦志之×篠原希二人展が出来るまで | コメント(0) | page top↑
酒井氏の薪窯復活へ / 笠間×信楽 酒井敦志之×篠原希二人展が出来るまで-4
2011 / 12 / 05 ( Mon )
7月、東京でのミーティング、そして二人が信楽へ来てくださり実現した信楽ミーティングを経て
ついに笠間の若手陶芸家 酒井敦志之氏は震災で破壊された薪窯を復活する作業に入りました。

DSCF8341.jpg
写真は笠間工芸の丘の登窯、地震で破壊されていました





まずは自分の壊れた窯を崩していく作業があります。
私は現場にいくことはありませんでしたが

私も自分で窯を作ったものとして想像するには、きっとこの作業が一番大変だったのではなかったかと思います。

なんとか窯の形を保ったままの窯を自らの手で壊さなければならないのは本当につらい作業だったのではと。
(…彼のことだから私のようなことは考えておらず「ああ、大丈夫っすよ!」っていうかもしれませんが(笑))






窯を壊した彼はまず、ネットでボランティアを募りました。

壊したレンガにはモルタル(レンガをくっつけるのりのようなもの)がこびりついており
それをハンマーやスクレイパーなどの工具ではがさねば、使うことが出来ません。


その数、ひと窯で数千丁の数のレンガ、それも重たいものですので大変な重労働です。

とても一人では出来ないです。





私はネットでその様子を見ながら、自分も駆けつけたい気持ちでもどかしく見ていましたが
あっという間に彼の仲間たちがあつまり、みんなで作業を手伝ってくれたようです。

すばらしい仲間たち。ネットを見ながら感激していました。



まったく人のこと心配している必要も資格も無い私でした(笑)





酒井君は想いのこもった窯の解体をし、掃除の済んだレンガをきれいに積み上げて
ついに窯復活の作業がはじまりました。

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復活へ向けてレンガが積み始められた(写真酒井氏より転載)


その様子は彼がツイッターで随時報告してくれていて
遠く離れた私もいつもどこまで作業が進んだかを見ることができました。
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木枠を組みアーチが積み始められる(写真酒井氏より転載)

彼は日中は窯作りの作業を、夜は作品作り、そしてその間グループ展や日々の仕事をこなしており
本当に頭が下がりました。



そしてついに窯は復活しました。


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復活した酒井氏の薪窯(写真酒井氏より転載)



ネットを通じてですが、共に喜べた日を私はこれからも忘れることは無いでしょう。







ついに先日
その初窯についに火が入りました。




奇しくも彼の初窯をたいているころ、私もほぼ同じ日程で穴窯を焚くことになりました。


笠間と信楽、遠く離れた場所で同じ目的をもち、窯を焚けたことはすばらしい体験となりました。




つづきます


↓参加しています。 今回の写真は酒井氏の許可をいただき使わせていただきました。  いつもクリックありがとうございます↓
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13:32:55 | 笠間×信楽 酒井敦志之×篠原希二人展が出来るまで | コメント(0) | page top↑
穴窯を焚く / 笠間×信楽 酒井敦志之×篠原希二人展が出来るまで-5
2011 / 12 / 05 ( Mon )
2012年新春には水戸、季器楽座(ききらくざ)さんでの二人展、
笠間×信楽 酒井敦志之×篠原希二人展がはじまります。


先日、そのための作品を焼き上げる穴窯を焚きました。

偶然にも笠間の酒井君の初窯とほぼ同時に私も穴窯を焚くこととなりました。



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窯詰めを待つ 手前 笠間 酒井敦志之 作うずくまるつぼ、奥 篠原希作 うずくまるつぼ







今回の穴窯焚きでは、これまでずっと窯焚きを手伝ってくれてきたFさんSさん二人が、
仕事の都合で来られないことがわかっていました。

毎回4~5昼夜掛けて焼き続ける窯焚きですので手伝ってくれる方がいないと大変なことになります。

過去数回窯をほぼ一人で焚ききったことが何度かありますが
過労と不眠で体がおかしくなるのは間違いなしです(笑)





しかし
いつも思うことなのですが、もし手伝いがいなくなった時でも延期や中止を考えず
一人ででも焚く覚悟をできるようにとは思っています。


とはいえ…




と逡巡している私の様子を知ってか知らずか、篠原夫人(よ)さんが
「大丈夫!今回は私がひとりで手伝うから」

と言ってくれました。







いよいよ窯焚きがはじまりましたが、なにしろ(よ)さんは三人の乳児、
幼児の面倒を見なくてはなりませんから大変です。


普段は私も家にいるのでいろいろ手伝えますが、窯焚き中は窯から離れられませんので、
(よ)さんは普段より子どもとのやり取りはたいへんになります。



しかしいざ窯焚きがはじまった夜には、(よ)さんは手際よく三人の子どもにご飯を食べさせ、
風呂に入れて窯場に登場。



仮眠室に子どもを寝かしつけした後、窯場に登場。

私と窯焚きを交代してくれました。




明け方までの4時間ほど寝かしてもらったおかげで、窯から引出(ひきだし)をする作業もできました。

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窯から引き出された徳利。



仮眠を取る前にはあまりに疲れていて、そしてあまりに眠いので
熱く、つらい引出作業をするのが正直おそろしくなってしまっていたのですが
仮眠が出来たおかげで頭もスッキリ、気力も戻り、作業することが出来ました。



前回の窯焚きは大嵐の中の窯焚きでした。
今回は雨にも逢わず、気温もあまり下がらず、
これまでの窯焚きの中でももっとも良い気候の中窯を焚くことが出来ました。




今回(よ)さんと夫婦だけの窯焚きが出来たことはいい記念になりました。

いままで一人で焚いたことは何度もありましたが、ふたりで焚いたのは今回がはじめてです。


いつもふらふらになって窯を焚いている私をみていて、見ていられなくなったのでしょうが(笑)

今回の窯焚きは水戸での酒井君の地震からの復活の初窯展という意味と
会場となるうつわや季器楽座さんもまた、地震からこれまでの一つの区切りの展示という意味を
含んでいることを彼女もよく知っていてくれているのだと思います。

茨城育ちである彼女も私たちと同じように窯焚きを成功させ、
良い展示にしたいと思っているのを感じられました。




Afs.jpeg
窯に詰められた酒井君、私二人の壷。



いよいよ、展示作品が窯からだされます。



果たして焼き上がりはどうなっているでしょう…






↓参加しています。 電車息子は今回も「かまたきてっちゃったる!」と薪を渡すのを手伝ってくれました! でも一度やったら「ふう~ぼくつかれたよ」と去っていきました(笑)  クリックありがとうございます↓
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14:00:05 | 笠間×信楽 酒井敦志之×篠原希二人展が出来るまで | コメント(2) | page top↑
薪窯を作る / 笠間×信楽 酒井敦志之×篠原希二人展が出来るまで-6
2011 / 12 / 17 ( Sat )
2012年新春には水戸、うつわや季器楽座(ききらくざ)さんでの二人展、
笠間×信楽 酒井敦志之×篠原希二人展
がはじまります。


現在もその準備に追われる日々ですが、今回は新たに小さめの薪窯を作りその初窯作品も持ち込みたいとおもっています。


窯を作ろうと思ったのは、今回の二人展で共に展示する事になった
笠間の若手陶芸家酒井敦志之氏が震災により薪窯を破壊されてしまい、
そこからの窯を再建築、初窯焼成の高いハードルを越えて
臨む事になってしまった事がきっかけとなっています。


震災後、酒井陶房にお邪魔した時には、私はとても窯の再建が間に合うとは正直思えませんでしたし
むしろ破壊された窯を目の当たりにして
私の方がショックを受けてしまって窯を直すとかそんなことを考える余裕も無い感じでした。




しかし酒井君は日常の仕事や多種のイベントをこなしながらも、窯の再建にとりかかり
たくさんの仲間たちの協力を得ながら、見事に窯の再建をして初窯を焚き上げました。

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見事に再建された酒井氏の薪窯





そんな彼の震災をものともしない熱い思いやまっすぐな信念に触れるにつれて
被災していない私も彼と同じ気持ちになれなくとも、
同じような打ち込み方を期日まで続けて会場に臨まないといけないと思いました。




そこで私は7月、うつわや季器楽座さん、酒井君との東京ミーティングで

「私も窯を作り初窯作品を焼いて会場にもっていきます!」

と宣言をしました。



これは全く私の都合で、何の意味もないことなのだと思いながらも
そうでもしないと彼と作品を同じ会場にならべる気持ちが持てないような
気になっていました。


彼の薪窯がたくさんの仲間の協力を経て再建されていく様子をネットで見ながら
私もともにするような気持ちで、窯を作り始めました。


まず整地。
そして今回は直立の箱型の窯の為、コンクリートで基礎をうちます。
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コンクリートの基礎


レンガを一つ一つ積んでいきます。

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次に天井をアーチ状に作る為にまず、木で土台を作り固定します。



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アーチの土台



アーチ状にレンガを積みます。


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ズレないように一段づつ確認しながら




AgdXmXSCEAA8-Ti.jpg
最後の一列を入れる前の状態


AgilsG3CQAAQ1Qb.jpg
最後のキーポイントのレンガをハンマーで叩き込んで、アーチは完成。



AgiwCK-CQAAXT4m.jpg
木製の土台を取り除いた状態。これでアーチは終了


つぎにアーチの前後の壁を積んでいきます。


煙突を積み、どんどんとのばしていき…

Ag5d1aPCMAApbYL.jpg

「ちいさな薪窯」の完成です!



もともとは

「この短い期間で薪窯を復活させる酒井君の気持ちをすこしでも感じられたら」

と言う想いで勝手にやり始めたこの

「小さな薪窯」

作りでしたが、ひとつひとつレンガを手にとり、きれいに掃除して目地土をつけて積みながら
震災で被災した酒井君やうつわや季器楽座さんのこれまでのご苦労、
これからの二人展のことをじっくり考える事ができました。



そして、私自身も窯を作りながら、

「はじめて自分の穴窯を作った時のこと」

がまざまざと頭によみがえってきました。



とにかく自分の穴窯を持てる事がうれしくて、夢中で出来上がるまで朝から晩まで
レンガを積み続けたときの事をはっきりと思い出し、初心を思い出す事も出来ました。


本当に窯が作れて良かったと思います。








本当に展示も目前、ギリギリになってしまいましたが、なんとか初窯となるひと窯を焼き上げ
新春の会場で並べられるよう最後までがんばろうとおもいます!







↓参加しています。 途中猛烈な寒波に見舞われ、レンガの目地土が凍りかけて肝を冷やしました~  果たして初窯はどうなるでしょうか!?(穴窯は大失敗した私です)   クリックありがとうございます↓
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18:04:13 | 笠間×信楽 酒井敦志之×篠原希二人展が出来るまで | コメント(0) | page top↑
DMが出来ました!『土に魂を宿す二人展 酒井敦志之×篠原希』 /  笠間×信楽 酒井敦志之×篠原希二人展が出来るまで-7
2011 / 12 / 22 ( Thu )
いよいよ水戸のうつわや季器楽座(http://kikirakuza.com/ )で新春より二人展が始まります!

kikirakuzalogo.jpg

創業15周年企画 土に魂を宿す二人展
酒井敦志之×篠原希
2012年1月2日(月)-1月22日(日)

そのDMが出来上がりました!

今回の案内状ははがきではなく、なんと見開き8ページの冊子になっています!
こちらのページで全ページ見ていただけます。


創業15周年企画 土に魂を宿す二人展酒井敦志之×篠原希
http://anagama.net/pottery/kikirakuza2.html



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酒井敦志之×篠原希二人展表紙



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二人展出品予定作品 篠原希作 焼締大壺(やきしめおおつぼ)

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笠間 酒井敦志之作 穴窯焼締 祭器


いよいよ震災の大きな出来事を挟んだ二年間のおもいをぶつけるときが近づいてきました。


ずっとドキドキしままま、まだまだやる事ばかりの日々を過ごしていますが、
今の自分が出来る限りの力を尽くして、その場に臨もうと思っています。

また、茨城県の地元紙茨城朝日では今回の二人展の経緯を記事にしてくださったそうです。


2012ibarakiasahi3.gif


震災乗り越え「薪窯対決」笠間と信楽の陶芸家が水戸で二人展

茨城朝日
http://www.ibaraki-asahi.com/




実物DMご希望の方はお気軽に
左のサイドバーのフォームからお知らせくださるか
info@anagama.net
へメールをお送りください!

是非手に取ってみていただきたいです!

よろしくお願いします!







kikirakuzamap2.jpg
クリックすると地図が拡大して見られます。

うつわや季器楽座(http://kikirakuza.com/ )
創業15周年企画
土に魂を宿す二人展
酒井敦志之×篠原希
2012年1月2日(月)-1月22日(日)












↓参加しています。今年ほどクリスマスも年末も頭に入ってこない年はありません…!(笑)  クリックありがとうございます↓
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