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陶工房 篠原 >焼いて暮らす日々

お知らせ
-------2020年 今後の展示予定-------

-------終了した展示-------
・2020 2/1(土)〜2/16(日) ならまち ギャラリーたちばな(奈良)篠原希陶展  
・2020 4/29(水・祝)〜5/17(日) うつわや季器楽座(茨城)篠原希陶展  
・2020年7月 東武池袋店(東京)篠原希陶展  
・2020年8月15日(土)〜23日(日) 四季彩堂(静岡)篠原希陶展  
・2020年10月14(水)〜20日(火)大丸心斎橋店(大阪)篠原希陶展  

笠間、水戸、小山の旅 -2
2012 / 08 / 09 ( Thu )
前回の続きです。

個展を終え、水戸に明け方に着いたところから急遽笠間陶芸家酒井敦志之君と栃木県は小山市の「四狭間(しさま)かなた展」を
見に行きました。

その後、笠間の酒井君の工房にお邪魔し、以前から話し合っていた「互いの工房での作品作り」を
させてもらいました。


二人展のための2011年9月の信楽ミーティングでは酒井君が私の陶房で私の使っている土を使って「うずくまる壷」を作りました。
IMG_2221.jpg
2011年9月製作 左 篠原作 右 酒井作



今回は酒井君が掘ってきた笠間周辺の原土を使わせてもらうことに。



笠間原土
ぎゅっと握るとネトッとしているのですが、曲げてみるとサックリ裂ける信楽で言う「さくい」土。


これは以前、二人展のテーマの一つとして、お互いの土を交換したときにもらった
かなぐされの入った土
を、酒井君が製土したものだそうです。




しばらく二人でワイワイいいながら、結局信楽と同じうずくまるをつくりました。
同じカタチにする事でかえって土の特徴がはっきりわかるかもしれません。


左 篠原作 右 酒井作




つぎに、お互いろくろを順番に挽いてみようと言う事になり
それなら、私が以前酒井君の個展で購入したマグカップが有るのですが
持ち手といい口当たりといい、焼きといい何もかも私の好みで
ほとんど毎日コーヒーをこれで飲んでいるので、それを挽いてもらう事に。






マグカップの本体を挽き始める酒井氏


手慣れた手さばきでするすると挽いて行く酒井君。
酒井君はトンボはほとんど使用しないということで驚きました。

私もあまりトンボは使わないのですが、一応の目安程度は当てていますので
酒井君はよほど土取り(湯呑みなら湯呑みに必要な土の量を最初の動作で決める)が
しっかりしているのでしょう。


以前から気になっていた笠間独特の左手の動きも、酒井君に説明を聞いて納得できました。
いくつか見本として挽いてもらった後に

次に私がろくろに座らせてもらい、酒井君の挽いたものを見ながら挽いて行きます。
先ほどの原土とはちがい、ろくろ用の土はとても決めが細かく
私が使っている土より腰が有って、石が一切入っていない延びの良い土でした。


挽きながら、横にいる酒井君と自分はこうしている、酒井君はこうしているのか?などと
具体的なろくろの話が出来てとても有意義でした。



左 酒井作 右 篠原作



同じものを挽こうとしているのですが、やはり違ってしまいます。

「独立間なしのころにやっていた、「賃引き」仕事だったら全部はねられるな〜」
なんて笑いながら楽しい時間は過ぎて行きました。



このまま夜まで酒井君と製作を続けてしまいそうな勢いだったのですが
本当は朝一番に挨拶に行くつもりだったうつわや季器楽座に向かう為、ふたたび水戸へ。


にこやかなオーナー夫妻と再会し、
またまたコーヒーをごちそうになってしまいました。



コーヒーにも写り込むケヤキの大木。


店内から見える借景をみながら本当にほっとできる時間です。
3月にも来たはずなのですが、随分昔の事のように感じました。





店を後にして、笠間へ。

本当は、水戸と笠間に顔を出したらその日に信楽に帰るつもりだったのですが
今回も酒井夫妻のお言葉に甘えて(何度甘えた事だろう…)、泊めていただく事になりました。

ありがとうございます!


酒井君の友人、沼野氏と穂高氏、そして水戸の季器楽座オーナー夫妻も集まっての宴会!



酒井君の友人の握ったお寿司も。おいしそうなごちそうがいっぱい!




「酒井君はいつもこんな豪華なごはんたべてるの?」
と聞くと
「まさか〜!」
と笑っていましたが


じつは、酒井君、私が笠間で泊まるよう、とても熱心に誘ってくれた理由には
私の先日の受賞とそして妻の第4子妊娠の二つをみんなで祝ってくれようと考えてくれたからだったようです。


相変わらず優しかっこ良すぎるぜ!酒井君…!そしてさとみさん…!

本当にうれしいです!ありがとうございます!




ごちそうの中には、私は生まれて初めて見る生き物が。

それは「ホヤ」


ホヤを見事な手さばきでさばく、もと日本料理店料理長穂高氏


聞くだけは「海のパイナップル」だとか
「においが独特でだべられない」とか、「珍味」だとか聞いておりました。





見事に刺身になったホヤ


見るのも食べるのも初めて。

好奇心満々で、まずは醤油も付けずに一口…


「うまい!」


穂高氏曰く、とても新鮮なものだったそうで
聞いていたような臭みもないし、貝のような、でも食感はそれより柔らかくてほんのり磯の香りもして
味がしっかりしてとてもおいしかったです!

「なつかしいわ〜」
といいながら食べる茨城の海辺育ちの酒井君の奥さんと一緒においしくいただきました。


(ちなみに(よ)さんも同じ茨城の海辺育ちなのですが、ホヤは食べた事が無かったそうです。
ホヤは相当新鮮なものを選ばないとやはりおいしくないそうで、料理法も独特なためかもしれません)



そして毎回たのしみなのはお料理上手な酒井夫人さとみさんのお料理。
以前、塩竈料理にはびっくりしましたが今回もライスペーパーで巻いたものに数種類のソースを付けて食べるものでした。

中には野菜やえびなどいろいろ入っていて、頭から最後の一口までおいしかったです。
いつもいつもおいしいお料理驚きます。本当に感謝です。






おいしい料理も一通りいただいて、お酒ものんで…
と言うところで
「続きやリましょう!」

となりました。


そうです。お昼に作ったコーヒーカップの削りと手付けがあるのです!



ちょうど、この場に来ている沼野氏のコーヒーカップも私は以前購入して使っていて
とても手の付け方がいいので沼野君にも「手付け教室」をお願いすることに(笑)




私と酒井君、沼野君、穂高君、そして季器楽座のオーナーが集まって
「順番にろくろを挽こう!」
ということになりました。


まずは酒井君または沼野君が見本を挽き
私が次に、そして沼野君、そして穂高君という順で挽いて行きます。


それぞれにろくろに特徴があり、笠間メンバーでも個性があるので大変おもしろかったです。





ろくろを挽く沼野氏、すばらしい手さばき。


ろくろを挽く穂高氏「料理も出来るしモテるでしょ〜!」と私が言うと
「料理はプロができても当たり前だから……フッ」と笑ってました。




それぞれろくろを挽いた後、みんな見ている前でワイヤでまっ二つに切って
またあれこれろくろ談義。

このとき私の徳利の底は抜けていたので、とても恥ずかしかったです…(笑)


コーヒーの削りを実演中酒井氏。

削ると言うよりざっくりと切り出して行く酒井君。
この削りをする為にろくろのときには既に厚みのメリハリができており、切り出すところは厚く
それ以外は立ち上がったところからはとても繊細に挽いてあったのがわかりました。


作りと削りがしっかり連動しているとてもいい作りで、本当に酒井君らしいきっちり大胆ないいろくろでした。




信楽でもなかなか出来ないような、ろくろ実演しながらのあれこれとろくろ談義。
同じものを作ってもそれぞれの特徴と考え方がはっきり現れていてとてもたのしかったです。




本当にありがとうございました。酒井夫妻、沼野君、穂高君、そして季器楽座オーナー夫妻…!



酒井君とはその後も夜遅くまで酒を酌み交わし、季器楽座での五年後の二人展再戦を話し合い
どのように中身をつめて行くのか色々と考えました。
(気付いたら一升瓶が空いていたので、途中からは意識もうろう…(笑))




今回も出会いの多い茨城~小山の旅だったなあ…!






朝起きて、私は500km以上離れた信楽に、夕方の子どものスイミングの
送迎にいかねばらならず、(苦笑)バタバタと酒井家をおいとまする事になりました。


ふと傍らの明るい窓際に目をやると

私が東武で出展した「イッテコイ合子」が。







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イッテコイ合子

これは新年の二人展のためにつくったイッテコイ窯を模したものです。

去年の東武個展のとき、東京ミーティングと題して酒井君、季器楽座オーナーと三人で
話し合っていたときは、まだ酒井君の穴窯は再建も手つかずの状態でした。



その事をわすれず一年の記念にと作ったものでした。
それを東武で展示していたら初日に酒井くんが来場、片隅にぽつんと有ったそれを見つけて
その意をちゃんと理解してくれて持って帰ってくれたものでした。


本当にうれしかったです。
ありがとうございました。なんかいつも泣かされそうな場面を酒井君にはつくられるなあ…







前日見に行った四狭間かなた氏の壷の前でちんまりといい場所をキープしているのを
眺めてから笠間を後にしました。

※(ここからスイミングの送迎に向かって信楽へ猛ダッシュしてます)











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