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陶工房 篠原 >焼いて暮らす日々

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-------2020年 今後の展示予定-------

-------終了した展示-------
・2020 2/1(土)〜2/16(日) ならまち ギャラリーたちばな(奈良)篠原希陶展  
・2020 4/29(水・祝)〜5/17(日) うつわや季器楽座(茨城)篠原希陶展  
・2020年7月 東武池袋店(東京)篠原希陶展  
・2020年8月15日(土)〜23日(日) 四季彩堂(静岡)篠原希陶展  
・2020年10月14(水)〜20日(火)大丸心斎橋店(大阪)篠原希陶展  

三人での秋の窯焚き(笠間編)
2013 / 11 / 08 ( Fri )
2013年10月は京都での個展に始まりいろんなイベント、企画展など目白押し。

もともといい加減でおおざっぱな性格。
時間のやりくりもままならないままに手当り次第に片付けて行くほかなく
京都個展の為の窯焚きまで含めるといったいどうやって過ごしていたのか
分からないくらい目まぐるしい日々でした。


そんな中にあっても私の心にずっと消えずにあったのは10月に焚くと言っていた笠間の陶芸家
酒井敦志之氏の窯焚きのことでした。


今年の梅雨時期。

酒井氏は水戸のギャラリー季器楽座さんとともに信楽に来て
共に私の穴窯を焚いてくれました。

その時のエピソードはこちら

そのとき「この次は私が笠間まで窯焚き手伝いに行きます!」と
私は宣言していましたが、ついにその日がやってきました。

今度は私が笠間へ出発!

笠間の酒井陶房に到着したのは午前中。
もう既に窯に火が入りしばらく経った頃、
いつものガッチリ握手で窯場へお邪魔しました。
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窯焚き中の笠間の陶芸家 酒井敦志之(さかいとしゆき)氏




窯場に到着後は窯の横に座りながら
酒井氏とこれからのスケジュールと窯焚きの違いについて窯焚き談義。
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酒井陶房にて 私


酒井氏と窯の横に座り窯焚きの話をしながら、
この2年以上の間、何度も見たはずの穴窯をようやくしっかりと見たような気がしました。


私は地震で倒壊する前の穴窯を実物で見たことはありません。

地震後、破壊されいまにも崩れそうな穴窯に案内された時にはとても直視することができませんでした。

その後も何度も窯場には通してもらっていたのですが、再建を手伝った訳ではない私は
何となく気が引けてしまってあまりよく見ていなかったような気がします。


今回、ようやく酒井氏の窯の形やアーチのつみ方を見て、性格のきっちりした雰囲気が窯に出ているなあ…
などと思いながらしっかり見ることができました。





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穴窯から立ち上る煙


窯焚きはとても穏やかなものでした。

窯焚き期間は私とほとんど変わらないのですが、最高温度は50~100℃近く低いように感じます。

しかし土の性質を見抜き、丁寧に焼く、土のおもしろさを引き出すことを大切に考えた
窯焚きでした。


私は昔、「温度は高ければいいのか、日にちは長ければ長い方がいいのか、薪は多ければ多いほどいいのか」
という疑問を検証するようにいろんな焚き方をしていた時期がありました。



その苦い経験を通して、いままさに眼前で酒井氏がやっている、
温度、日数、薪の量にとらわれず
「鉄分の多い笠間の原土を丁寧に扱い、おもしろさを引き出す」
ということがようやく理解できるようになった事をとても嬉しく感じました。








そして、水戸のギャラリー季器楽座さんが登場!

信楽の窯焚きの時に撮ったのと同じ構図で窯の前にならんでパチリ
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笠間バージョン 左酒井氏 真ん中 季器楽座さん 右篠原

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今年6月の信楽窯焚きバージョン






前回、信楽窯焚きの時は酒井氏が信楽の原土でぐい呑や花器を作っていましたが
今回は私が笠間の土を使って、酒井式継ぎろくろで作る酒器をつくらせてもらいました。


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酒井氏のろくろ場にて製作中



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酒井式継ぎろくろで作った酒器




窯の温度は優しく、少しずつあがって行き…
窯焚きは終盤へ。





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吹き返す炎



そのうちには酒井氏の窯場には入れ替わり、立ち代わり10人以上のお客さまや友人が来られ
とても楽しく、賑やかでした。


人を寄せ付けず、ほとんど喋ることのない私の窯焚きとはエライ違いです…




無事に窯も焚き上がり、みんなで打ち上げ。


お料理上手な奥さんに、おいしいごちそうを用意していただいて。

みんなでお酒を呑んで。





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楽しかった打ち上げ。




こんなに楽しい窯焚きがあるんだな~
と思いながら酒井陶房での窯焚きは終わりました。






そもそも、お互いの窯を焚いてみよう!ということになったきっかけは

次回の酒井氏との二人展をふたたびやる!ことになったことが発端です。

正直、もう一度!と言われた時は「とても無理だ」と思いました(笑)

前回の二人展のモチベーション、そして作品内容を超えて行く為には
ありとあらゆる努力をしなければ超えることができないという想いが、今の自分にはあります。




その為にまず、自分の我流の窯焚きをさまざまな窯焚きの経験を持つ酒井氏と共に焚くことで
すこしでも成長させたい!と考えました。

もともとは季器楽座さんの発案でしたが、とてもいい経験が出来たと思います。


今回も現地で笠間の土を見つめながら酒井氏とともに窯が焚けたことは
自分の窯焚きに大きく影響する出来事になりました。


酒井氏も今回の窯焚きでは信楽の窯焚きで見たことを取り入れて
いろいろと実験されていたようです。


その結果はまもなく始まる栃木の彼の個展で見ることができます。
(もしかしたら彼の栃木のこの会場での前回の展示は震災直後の4月じゃなかったかな…?)





窯出しは私も見られませんでしたので
どんなものが焼けたのか私も楽しみです。



酒井ご夫妻様大変お世話になりました!

笠間の皆様本当にありがとうございました!
再会できてうれしかったです!






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テーマ:陶芸 - ジャンル:学問・文化・芸術

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