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陶工房 篠原 >焼いて暮らす日々

お知らせ
-------2020年 今後の展示予定-------

-------終了した展示-------
・2020 2/1(土)〜2/16(日) ならまち ギャラリーたちばな(奈良)篠原希陶展  
・2020 4/29(水・祝)〜5/17(日) うつわや季器楽座(茨城)篠原希陶展  
・2020年7月 東武池袋店(東京)篠原希陶展  
・2020年8月15日(土)〜23日(日) 四季彩堂(静岡)篠原希陶展  
・2020年10月14(水)〜20日(火)大丸心斎橋店(大阪)篠原希陶展  

水戸市 うつわや季器楽座 篠原希陶展終了しました。/茨城 ノ貫プロジェクト 窯焚き
2018 / 05 / 31 ( Thu )
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窯変擂鉢(ようへんすりばち)

4月28日(土)~5月20日(日)の日程で開催しておりました篠原希陶展終了しました。

初日早々より、たくさんのお客様のご来場をいただき本当にありがたかったです。

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水戸市 うつわや季器楽座


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展示風景

熱心に制作の質問をいただけてありがたかったです。

今回はこの1年間、アメリカに行きその中で体験できたこと、そして帰ってから考えたことを作品に込めました。

むしろ土についてはおとなしく見えるようになったかもしれませんが
「土の面白さを作品に写す」というテーマにはアメリカも日本も、信楽もその他の土地の土も同じと考えられるようになりました。


今回展示した「黒の茶盌」には四つのタイプがありました。

アメリカの現地の土をほって上掛けして引き出したペンランドワイルドクレイ引出黒。
アメリカノースカロライナのライルズビルワイルドクレイの釉薬をかけない「じどけ」による引出黒、
そしてその元になった、笠間土のじどけによる「無釉」引出黒、
そして私が普段やっている鬼板(おにいた)と呼ばれる鉄分の多い土を上掛けした引出黒も土の砕き方を荒くして素材感を残すように変えました。

それぞれの黒が土から引き出される面白さを見てもらいたいと考えました。


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ワイルドクレイ茶盌(ノースカロライナ ライルズビルクレイ)
(アメリカペンランド登り窯で焼成のち日本、自分の穴窯で焼成中、引き出した。
釉薬は掛けていないが、土中の鉄分が溶け出して黒く焼けている。この作品は酒井さんとの二人展での土の交換により生まれた、笠間土の「じどけ」による黒の茶盌の経験を経て生まれました)



土に従い、その土の性質を最大限引き出すことへの興味は1年前より明確になり、肩の力はいい意味で抜けたような気がしております。

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窯変徳利(ようへんとくり)窯変シノギ馬上杯(ようへんしのぎばじょうはい)

そして、最終日には毎年、笠間の陶芸家を中心にこれまで全国の陶芸家が集まって一緒に薪窯を焚くという
「ノ貫(へちかん)プロジェクト」
の窯たきに参加することができました。


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IT茶人であり、このノ貫窯の窯元でもある近藤俊太郎さん。

私は五年前に一度、窯たきに参加できたのですが、その時以外は窯たきは参加できませんでした。

今回はちょうど個展の最終日と搬出日が重なったおかげで、ようやく参加できることに。


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笠間の陶芸家、ノ貫メンバー


このノ貫窯、始まりは東日本大震災。

地震をきっかけに、持ち主がいなくなるという薪窯を突然、東京のITの仕事をしているという茶人が買う!という
ネットの記事に私は度肝を抜かれました。

「どんなひとなんだろう」
と私の興味は釘付けに。

「みんなでたのしく窯を焚きませんか?」
という呼びかけに私はぜひ参加したいと思いました。




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釉薬もそれぞれの作家のものを持ち合って、いつもと違うものをかけてみる。
どんなものが焼けるのか楽しみが増す。



窯焚きが始まると、不思議なくらい自然と交代しながら24時間が過ぎていきます。

一緒にラーメンをたべたり、いっしょにお茶をいただいたりしながら
いろんな話ができます。
陶芸の話、仕事の話、家族の話。


ノ貫窯が始まった頃、震災と原発の事故の影響はとても大きく
笠間や益子の作家たちは作品が動かなくなってしまった時期があったそうです。
その時に出た「ひまだからみんなで薪窯焚かねえ?」と言うセリフがこのプロジェクトのきっかけでもあったそうです。

それが6年の月日がながれ、参加しているメンバーはそれぞれに大変な人気作家となり
日々、いそがかしく制作に追われています。
「いまではノ貫の作品をつくる時間をなんとか捻出しなくちゃならなくなった」
と笑っていました。

本当は、いそがしいはずのメンバーそして窯元の近藤さんですが、
窯焚きをしているようすはいつもニコニコしていて、時間が優しくユルユルと過ぎていきました。

あまりにギリギリとした私の穴窯焚きとの違いが嬉しく、感動していました。

とても貴重な時間を共有できました。







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酒井敦志之さんのお宅で打ち上げ。


窯焚きの後には、みんなが酒井さんのお宅に集まって
窯焚きのうちあげと合わせて、私の個展の終了をねぎらってくれました。


この6年間、酒井さんとの二人展を成功するために過ごしてきた自分。

その二人展はついに去年、終了して、今回の個展は初めて自分のことだけを考えて、かなり力みを取って作れたような気がしていました。

二人展が終わった以来私は、「もう、こんな風にみんなとともに楽しい時間が過ごせることもないか」
とも思っていましたが
再びこんな日が来たことを感謝しています。
そしてまた素晴らしい時間と体験をもらえたことを感謝しております。


個展期間ご来場くださいましたみなさま、
そしてノ貫で出会ったみなさま。

優しい時間とすばらしい体験をくださり本当にありがとうございました!

こころより感謝申し上げます!


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テーマ:陶芸 - ジャンル:学問・文化・芸術

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